正しい話

◇ ◇ ◇

ある日突然に。

宇宙人が地球に攻めて来ました。

地球人には、和平を申し込むすべどころか、

理由を知るすべすらありません。

地球人は反撃します。

戦いの後、生き残ったのは地球人でした。

後に、地球人たちは

野蛮な生命体を倒し、

故郷を守った功績を労い合いました。

それは『正しい事』でした。

◇ ◇ ◇

ある日ある場所で。

住む星を失った宇宙人がいました。

このままではいつか死んでしまいます。

ある日彼らは地球を見つけます。

そこは彼らにとっても理想的な場所でした。

住む場所が欲しい宇宙人にとって、

交渉する事すら難しい地球人は邪魔でした。

宇宙人は地球人を攻撃します。

地球人も反撃します。

戦いの後、生き残ったのは宇宙人たちでした。

後に、宇宙人たちは

野蛮な生命体を倒し、

住む場所を確保した功績を労い合いました。

それは『正しい事』でした。

◆ ◆ ◆

正しいと思うから正しい。

正しくないと思うから正しくない。

私の考えでは、一般に言う正しい事とは、

『ある集合としての』人間(生物)にとって『有益な事』なのではないかと思う。

自分達が存続する為にしている事が、正しいと信じられるという事。

それが存続する事をより容易に近づけるのかもしれない。

人々が正しいと思うから、

それは人にとって正しい。

・・・・・でも、正しいかどうか疑う事もしないと、

それは本来の意味を失うかもしれない。

2006.04.20