洗脳と煽動

人の思考においても、無から有が生まれる事はないように思えます。

『思いつき』とかと表現すれば、何も無い所から浮かび上がるような印象ですが、実際には、その思いつきの元となっている情報や考えといった何かがあります。

数千年前の時代に行けたとして。

現代のジェット機を見せて、「これが飛ぶ」と言った所で、実際に飛ぶのを見る前に信じる人がいるでしょうか?

経験や理論などの基礎が無いのなら、巨大な鉄の塊が飛ぶという結果を予測できないだろうと思います。

メディアによる洗脳とよく言いますが、実際には『煽動』(場合によっては、それによる誘導)というべきなのではないでしょうか。

少し話がそれますが、そもそも洗脳というのは、もともとあった思考を、別の思考で塗り替えるというのが定義です。

従って、例えば、経験の乏しい幼い頃から思考(思想)誘導を始めたとしても(特別な事ではなく、恐らくこれは一般的な事だが)、それは洗脳ではなく『教育』だと思います。

彼はメディアを使って『洗脳』したのでしょうか。

実際には、もともと人々が持っていた思いや考えを『煽動』しただけなのではないでしょうか。

最も、人間というシステムが予想以上に不完全で、その不完全さにつけ込む方法があるとすれば別かもしれないけれど。

『私もきっと、彼が象徴する要素を持っているのだろう。』

2006.04.19