林檎の世界

『もし、過去に行けたとして、過去の自分を殺したら、現在の自分はどうなる?』

この話の前提としてまず過去に行く事は可能じゃないと行けない。

そして、過去にいけるという事は未来の情報を過去に伝えられるはず。

例えば、明後日の自分から、明日の自分の行動を教えてもらったとします。

その行動に反する行動を取る事は可能か?

これが不可能という事は、明日の自分がどう行動するのか今日知ったとしても、それを知った上で、明日はその行動を取らざるを得なくなる、という事になります。

でも、「明日あなたは朝食に林檎を食べます」と言われて、それに反して林檎を食べないなんて事は、簡単なのではないか?

という事は、『ある日の朝食の時間』に、

『林檎を食べる自分がいる世界』

『林檎を食べない自分がいる世界』

の2つの世界が存在するという事になります。

同じ時間上複数の世界が存在する。

これはまさにパラレルワールド。

さらに言えば、自分が過去に戻る側だったとする場合、自身に『未来の自分と会った記憶』が無いのならば、過去の自分に会った時点で、その自分は自身とはパラレルな存在だという事になります。

つまり、同じ時間上に、『未来の自分と会っている自分がいる世界』と『会っていない自分がいる世界』の2通りの世界が存在するという事になるからです。

この時、どちらか1つの世界は消えてしまうのか、どうか。

その結末が、先に挙げたパラドクスの結末でもありそうなわけです。

消えてしまうのだとすると、ある時刻にあった1つの世界が、同時刻に消失しているという不思議な状態に。

3次元空間+時間=4次元世界

そこに、第五の次元がチラついてるような予感。

パラレルワールドなんてファンタジーかと思いきや、過去に行く事の可能性さえ保障されれば少なくとも瞬間的な存在は実証されるんじゃないか、

そんな不燃性の話。

2007.01.05